日本港湾リースの自社船
アンカーレスグラブ浚渫船 中工丸

本船、中工丸は歩行式スパットを有するアンカーワイヤレス方式を採用し、近年益々船舶の輻輳する港域内での工事において航行船舶の安全を確保し、かつ港の機能を阻害することなく抜群の威力を発揮し、より一層の浚渫力、起動力並びに安全性を合わせ持つことができる活気的なグラブ浚渫船であります。
船 体 等 | |
---|---|
全長 | 60.00m |
幅 | 20.00m |
深さ | 3.50m |
吃水 | 2.20m |
用途・総屯数 | 浚渫船・ 817.00屯 |
製造所・製造年 | 大崎造船所・H5年 |
発電機の規格、名称 | 主発ヤンマー360KW (S165L-HN) 碇泊 110PS(6HAL-N) |
船体固定方式 | スパット式 φ1,300×38.3m(50t) ×2本 |
浚渫機関係 | |
---|---|
製造者 | 株式会社 SKK |
ジブ長さ | 24.00m |
グラブバケット | No.1 ドレッジャーバケット・18m3(P.L)/12m3(W.L)・45t No.2 幅広密閉グラブバケット・20m3(P.L)/(W.L) ・40t |
最大吊上荷重 | 70t |
作業半径・旋回速度 | 13.5m~20.7m(ジブ角度: 70°~50°) |
原動機主機 | 三菱 S16R-MPTA(2,000PS) |
浚渫深度 | 水面下30.0m |
アンカーレスグラブ式浚渫船の特長
安全な作業
航路及び港内泊地の増深、増巾の浚渫作業は近年益々航行が激しく安全対策上問題となっている。本船はこの問題をアンカーワイヤレス方式にて解消した。
作業効率の大幅な向上
停泊船及び出入船舶のピーク時でも作業水域が僅少だから作業ができる場合が多い。
又、退避及び作業開始時に於ける揚投錨の作業がないためこの時間中作業ができる。
楽な工事
他作業船に比べ揚投錨の作業がない。延長距離の長い浚渫工事で転船等でもアンカーを打ちかえる作業時間が軽減される。又、浚渫船への着船や土運船の離接舷等の作業でもアンカーワイヤーがないので安全に各作業が行える。
特殊工事の施工
航路の浚渫で浚渫底面幅が狭く、両側とも法肩まで高低差がある場合や流速が早くアンカーがしける場合等のアンカーが使用出来ない様な浚渫箇所の施工も容易に可能である。
作業船舶の保全
土運船の底部がアンカーワイヤーで損傷したり、曳船等のスクリューを曲げたり、その他、本船への交通船等着船及び土運船の引出し作業時に各船舶(押船・補助曳船)の損傷がない。
幅広密閉グラブバケット、水平掘装置の特長
環境にやさしいバケット
密閉グラブバケットにより、海底での濁りの発生を防止でき汚水拡散を防ぎます。
高品質で効率的な浚渫
これまでのグラブバケットで土砂をつかむと、真中に山形の掘残しできましたが本船搭載の「水平掘制御システム」によりこの欠点を解決することができました。 「水平掘制御システム」は、グラブバケットが巻下げから設定速度に近づくと自動軽減され設定深度で停止になると水平掘削の開始となる。 グラブバケットを閉じ始めると、水平掘削制御器は最適な水平掘削値と実際にグラブバケットが降下した深さをリアルタイムで比較し、理想的な掘削軌跡により近づける補正指令を連続して送り、グラブが全開になるまで制御が行われます。 この「水平掘制御システム」により薄層での水底を薄く均一に浚渫することを実現し余掘りを最小限にした浚渫が可能になりました。

No.1 ドレッジャーバケット・18m3(P.L)/12m3(W.L)

軟土より岩盤浚渫まで幅広い浚渫に対応します。
No.2 幅広密閉グラブバケット・20m3(P.L)/(W.L)

確実に余水の軽減が可能であり泊地浚渫でも効率よく浚渫を行います。